カタメ 4 | サムライTRADER ゲッツ

カタメ 4

香織を乗せ家についた

幹夫は見つからないように自分の部屋に連れて行く

そして幹夫は院長である父親の所にいく

幹夫は出来が悪い

父親も出来のいい兄を溺愛していて

幹夫の事は気にもとめない

幹夫は父親に言う


人を轢いた

無免許で盗難車を運転していたら轢いてしまった

誰も見ていなかったから連れて逃げてきた

ばれると貴方に迷惑がかかる

この病院も閉鎖に追い込まれると思った

彼女を元に戻し

何事もなかったようにしなければならない


そういう話を父親にする

父は香織を見た

目の玉が飛び出した以外大した損傷がない

しかし目の玉が飛び出している

これをどうするか

それが問題だ


幹夫は言う

俺の目の玉を移植してくれ

そうすれば元に戻る

自分は香織の目の玉を入れて

見えなくてもそれでいい

義眼でいい

香織が戻れば

それで誰にも気づかれず

みんなが安泰でいられる

それしか方法はない


父親は迷わなかった

出来の悪い息子の目が片方なくなっても

自分や病院を守る方を優先した


幹夫の片目を移植する手術が始まる

ついに幹夫は香織と一つになる

幹夫は片目を失う怖さよりも

自分の一部が香織の一部になる喜びを感じていた

麻酔が効き始め

眠気が襲う

幹夫は笑っていた

それは父親が今までに見た事のない笑顔だった

幹夫の人生で

一番幸せだった日

それがこの日だったのかもしれない